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自筆証遺言書について

2018年07月30日
法務

【2026年4月 最終更新】2019年の財産目録に関するルール変更と、2020年に始まった法務局での遺言書保管制度について追記しました。

自筆証遺言書について

 

 

自筆証書遺言とは

自筆証書遺言とは、遺言の本文を自分で手書きする方式の遺言です。遺言の本文・日付・氏名は必ず自筆で書く必要がありますが、2019年1月の民法改正により、財産目録についてはパソコンでの作成や、預金通帳のコピー・登記事項証明書の添付が認められるようになりました(ただし、財産目録の各ページに署名押印が必要です)。

用紙のサイズや、縦書きか横書きなどの制限は特にありませんが、パソコンなどで入力した文章に署名・押印をして、自筆証書遺言とすることは有効ではありません。

 

また、作成の際には水性ペンや消せるボールペンなどではなく、簡単に消えない油性ペンなどを使用しましょう。字が上手くなくても、判読しやすい文字で丁寧に書くことも重要です。

メリット

費用がかからない

自筆証書遺言は、自分ひとりで書くことができ、公正証書遺言のように手数料がかからないので、手軽に作成できます。

紙、ペン、印鑑さえあれば作成できるので、思い立ったらすぐに作成することができます。

他人に知られることがない

自筆証書遺言は公正証書遺言とは違い、公証人や第三者の関与が必要ありません。

そのため、他人に財産の内容や遺言の内容を公表しないので、思いついたときに、誰にも知られずに書くことができ、後から遺言の内容を変更したい場合に、手軽に変更ができます。

デメリット

形式不備で無効になることがある

自筆証書遺言には、日付や氏名は必ず記載しなければいけないなどの一定の決まりがあります。

これらの決まりや記載した内容に不備があれば、遺言が無効になってしまうので、注意が必要です。

変造・偽造や盗難・紛失の恐れがある

自筆証書遺言は、公証人や第三者の関与が必要ないため、いつでも手軽に変更できることから、他人により変造・偽造される恐れがあります。

 

また、盗難や紛失した場合、公正証書遺言のように原本が公証役場に保存されていないため、遺言の執行ができなくなります。

ただし、2020年7月に始まった法務局での保管制度を利用すれば、紛失や改ざんのリスクを防ぐことができます。詳しくは後述の「自筆証書遺言書保管制度」をご覧ください。

裁判所の検認が必要

公正証書遺言と違い、自筆証書遺言は公証人が関与しないため、法律上有効に成立したかどうかの確認ができていません。

そのため、遺言書を保管していた人や発見した人は、遅滞なくその遺言書と必要な書類を家庭裁判所に提出し、検認という手続きを受けなければならないのです。

その後、家庭裁判所から相続人全員に検認を行う日を通知します。

 

なお、法務局の保管制度を利用した場合は、この検認手続きが不要になります。

このように自筆証書遺言は、作成は手軽で簡単なのですが、遺言を執行するまでに複雑な手続きがあるので手間と時間を要します。ただし、法務局保管制度を利用すれば検認が不要となり、手続きの負担を大幅に減らすことができます。

自筆証書遺言の書き方と手順

以下の自筆証書遺言を残すためのポイントを、こちらのページと併せて確認しておきましょう。

日付と署名捺印は必須

遺言書はいつ作成されたものなのか分からない場合、無効となります。必ず「何年何月何日」に作成したのかを記載しましょう。

「〇〇年〇月吉日」などの作成日が特定できない表現や、日付が入ったスタンプなどは無効となります。

 

また、誰が書いたものか分からなければ、無効となってしまいます。しっかりと署名押印しておきましょう。

押印は、認め印でも問題はありませんが、本人が残した遺言書だと分かりやすくするため実印がベストです。

ページが複数の場合は割印(契印)を

枚数の制限は特にありませんが、ページが複数になる場合は割印(契印)をしておくと、一連の遺言書であることを証明できます。

 

また、バラバラにならないよう、ホチキスなどでまとめておくと非常に親切です。

修正するくらいなら書き直すこと

書き間違った場合、つい修正したくなりますが、遺言書の修正のルールは非常に面倒で、単に修正テープで消したり、線を引いただけでは修正したことにはならないのです。

そのため、書き間違った場合は無理に修正せず、いっそ書き直したほうが早いと覚えておきましょう。

封筒に入れて封印する

法的に定められたルールは特にありませんが、改ざんのリスクを避ける為に自筆証書遺言書は封筒に封印して保存しましょう。

確実に遺族が発見できるような場所や、貸金庫などの安全な場所へ保管するのがいいでしょう。

また、法務局の保管制度を利用する場合は、封筒に入れず、所定の様式で遺言書を作成したうえで法務局に持参します。

自筆証書遺言書保管制度(法務局保管)

2020年7月10日から、自筆証書遺言書を法務局で保管できる制度が始まりました。この制度を利用すると、自筆証書遺言の主なデメリットを解消できます。

法務局保管のメリット

  • 法務局が原本を保管するため、紛失・改ざん・盗難の心配がない
  • 家庭裁判所の検認手続きが不要になる
  • 相続発生後、相続人は法務局で「遺言書情報証明書」の交付を請求できる

利用の流れと費用

  • 手数料は1件3,900円
  • 保管申請は遺言者本人が法務局に出向く必要がある(代理人による申請は不可)
  • 遺言書は法務局が定める様式に沿って作成する(A4片面、余白の指定あり)

自筆証書遺言を作成する際は、法務局保管制度の利用も選択肢としてご検討ください。

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