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内縁の妻、夫は相続が可能?内縁関係でも財産を相続する方法

2022年04月01日
法務税務

内縁の夫婦は、パートナーの財産を相続することができません。

よって、財産を渡したいのであれば、相続とは異なる手段が必要です。

ただし、他に相続人となる親族がいる場合には注意点があります。

内縁の妻や夫は相続人ではない

籍を入れずにパートナーと暮らしているが、生活実態は夫婦と変わらない「事実婚」の関係にある者同士がいます。

しかし法律上、内縁の夫や妻を相続人とするルールはありません。

法律上の相続人とは

社会保険や年金制度とは異なり、今回ご説明する内縁関係には、特に定義がありません。

よって、いろいろな状況の方が考えられます。

配偶者と何らかの事情で離婚ができないケースもあると思いますので、ここでは法律上の配偶者がいる場合・いない場合で解説します。

配偶者がいる場合の相続人

法律上の配偶者と、下記の順位の親族が相続人になります。

【配偶者以外の相続人】

・第1順位 子 

・第2順位 直系尊属(親や祖父母など)

・第3順位 兄弟姉妹 

各順序の続柄は、故人からみた続柄で、順位の数字が若いほど優先して相続権が認められます。 各人の相続分は、下記のとおりです。          

相続人相続分
配偶者のみ配偶者・・・すべて
配偶者と子配偶者…2分の1
子…2分の1
配偶者と直系尊属配偶者…3分の2
直系尊属…3分の1
配偶者と兄弟姉妹配偶者…4分の3
兄弟姉妹…4分の1

※同じ順位に複数の人がいれば、相続分を均等に分けます。
(例:配偶者と子3人…配偶者は2分の1、子は6分の1ずつ)
配偶者がいない場合

上記の【配偶者以外の相続人】が相続人になります。

1人しかいなければすべてを相続しますが、同じ順位に複数の人がいれば、相続分を均等に分けます。

内縁の夫婦間の子の相続権

内縁の夫婦の間に生まれた子は、妻(母)の相続人になることはもちろんですが、夫が認知していれば、夫(父)の相続人にもなります。

配偶者との間にも子がいる場合は、その人物と相続分を均等に分けることになります。

代襲相続

子と兄弟姉妹には、代襲相続があります。

代表的な例は、子が相続以前に亡くなっている場合です。

このとき、その子に子供(被相続人の孫)がいれば、その人物が代わりに相続人となります。

内縁の妻や夫が財産を相続する方法

贈与(生前贈与・死因贈与など)          

生前のうちに財産を贈与(生前贈与)する方法がもっとも確実です。

他にも、死亡を原因として贈与(死因贈与)をする契約を、生前のうちに交わしておく方法もあります。

贈与契約書を作成し、贈与税の申告もきちんと行っておくことで、後に他の相続人から、勝手に財産を使い込んだなどの理由で責められにくくなるでしょう。

ただし、後述する遺留分侵害額の請求に注意が必要です。

遺贈

遺言で、内縁の夫や妻に財産を取得させることもできます。

信頼できる人物を遺言執行者として指定しておくとよいでしょう。

ただし、後述する遺留分侵害額の請求には注意が必要です。

【遺言執行者とは】

遺言の内容を実現するため、相続財産の管理や遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務をもつ者。遺言執行者が指定されているとき、相続人は、その執行を妨げることができない。

特別縁故者の申し出

他に相続人がないときは、家庭裁判所に申し出ることで、「特別縁故者」として、遺産の全部または一部の分与が認められることがあります。

ただし、認められるかどうかわからない不確実な方法ですので、本当に内縁の夫や妻に財産を渡したいのなら、上記の方法を用いる必要があります。

【特別縁故者とは】

故人と生計を同じくしていた者

・故人の療養看護に努めた者

・その他、故人と特別の縁故があった者

内縁の夫や妻に財産を相続させるときの注意点

他に相続人となる親族がいる場合、以下の点に注意が必要です。

遺留分侵害額を請求される可能性がある

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子や直系尊属)が最低限の遺産を相続できる権利のことです。

それぞれ、自身の相続分の2分の1にあたる遺留分(直系尊属のみが相続人である場合は3分の1)が認められています。

贈与や遺贈によってこの権利を侵害された場合、贈与や遺贈で財産を取得した相手に対し、侵害された分の金銭を請求する権利を持ちます。

包括受遺者になれば遺産分割協議に参加する

包括遺贈(遺言で、財産の全部または一部を割合指定する贈与)をすると、相続人と同じ権利義務が生じ、他の相続人との遺産分割協議に参加するなどの負担が生じます。

特定の財産を指定して贈与する、特定遺贈がよいでしょう。

贈与税・相続税の申告が必要に

生前贈与には贈与税、死因贈与や遺贈には相続税がかかります。

それぞれ基礎控除がありますので、基本的にはそれを超える場合に税務署に申告書を提出します。

なお、相続税は、相続財産(課税対象となる財産)の総額から計算した相続税額を、相続や遺贈によって遺産を取得した各人で、取得した財産額に応じて負担するしくみです。

申告は単独でもよいのですが、基礎控除は法定相続人の数によって変わりますし、自分が取得した財産だけ把握していても税計算ができません。

この点から、他の相続人の協力が必要になる可能性があります。

税理士にご相談ください。