相続ブログ
BLOG
口座預金の凍結解除について
身内が亡くなったので相続人である親族が被相続人の預金口座から必要な資金を引き出さないといけないといったケースがあります。
ただし、必要でもすぐに引き出せないといった事もありますので、そのような状況に慌てる事がないよう、ここでは口座預金の凍結解除についてご説明いたします。
目次
どのタイミングで凍結されるのか
金融機関は相続開始が判明した時点で、被相続人(亡くなった人)が名義の口座を自動的に凍結します。
しかし、口座名義人の死亡届を提出すると、役所から金融機関に連絡されるというわけではありません。
ではどのタイミングで口座が凍結されるのかというと、相続人の誰かが連絡する事で金融機関は相続開始された事を把握し、口座を凍結する事となります。
なぜ凍結されるのか
では、なぜ金融機関は口座を凍結するのでしょうか。
1点目は相続人が勝手に預貯金を引き出すことによる相続人間でのトラブルを防ぐため、2点目は相続財産を確定させるためです。
被相続人が亡くなってからも自由に引き出せてしまうと、相続税の対象である相続財産の線引きが不透明になってしまうからです。
口座凍結を解除する方法
相続の方法によって異なりますが、共通する注意点が2点あります。
1点目は、たいていの場合に被相続人(亡くなった人)の「出生から死亡までに作成された全ての戸籍謄本」を要求されます。それから「相続人の戸籍謄本」を要求される場合も多くあります。
2点目は、銀行ごとの異なった必要書類を確認して用意する必要があるという事です。
以上の2点を考慮した上で、一般的なパターンを解説いたします。
預金の取得者が確定している場合
預金の取得者が相続人間で確定しているのであれば特に問題はないので、以下のような資料を用意しましょう。
・遺言書により預金の取得者が確定している場合 ……………………[遺言書]
・遺産分割協議により預金の取得者が確定した場合 …………………[遺産分割協議書]
・遺産分割協議は済んだが遺産分割協議書を作成していない場合 …[相続人全員の同意書]など(※各金融機関にご相談下さい)
預金の取得者が確定していない場合
以下のような場合は、相続人同士できちんと話し合い遺産分割を決定させないと凍結解除には進めません。
それでも分割が整わない場合には調停または審判により預金を取得する人を決定するしかないので、手続きが完了次第に凍結解除の手続きに移ることとなります。
・遺言書があるが相続人間で同意は得られていない場合
・ 〃 預金の取得割合のみできちんと分けられていない
・遺産分割協議がまだできていない
預貯金の仮払い制度(150万円までの引出し)
一金融機関当り150万円(法務省令で定める額)を上限に亡くなった人の口座からお金を引き出せるようになりました。
これは「預貯金の仮払い制度」と言われていますが、事前の手続きが必要です。
葬儀費用など緊急にお金が必要な場合、相続人は金融機関の窓口に仮払いを申し出ることができます。
各金融機関ごとに上限額は150万円です。
【計算式】 預貯金残高 × 1/3 × 仮払いを申し出る人の法定相続分
【 例 】 預貯金1,500万円で法定相続分が1/2の場合
計算上は[1500万円 × 1/3 × 1/2 = 250万円]になりますが、実際に引き出せるのは150万円までです。
この制度のデメリットは、「遺産を残さない」と遺言書に示されている相続人が、「葬儀代を支払う」などといって勝手にお金を引き出す可能性があることです。もし3つの金融機関に口座があれば、最大450万円引き出す事が出来ます。もちろん不正に引き出されたのなら返還要求ができますが、素直に返してくれるとは限りませんので注意が必要です。
ゆうちょ銀行の口座が凍結された場合
ゆうちょ銀行の場合は他の金融機関と異なり以下のようなフローとなります。
詳しくはこちら → ゆうちょ銀行相続手続きの流れ
Recent Entries
-
2024年 11月 01日税務
-
2024年 09月 01日法務税務
-
2024年 07月 17日法務税務
-
2024年 05月 01日税務
-
2024年 03月 01日税務