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住宅ローンと団信について

2020年07月15日
税務

相続において、被相続人(亡くなった人)に借金やローンなど返さなければならないお金がある場合、残りは相続人が支払わなければなりません。

 

相続は、遺産を受け取る権利だけでなく、被相続人の債務も承継しなければならないからです。
受け取る財産よりもマイナスの財産の方が多ければ、一般的には相続放棄を検討しますが、それが「住宅ローン」であれば、あわてて相続放棄をしてはいけません。
なぜなら、多くの方はローンを組むときに「団信(だんしん)」に加入しているからです。

 

今回は、住宅ローンと団信について解説します。

 

 

 

団信とは

団信とは、団体信用生命保険の略で、「生命保険」の1つです。
住宅ローンを契約するとき、契約者が団信に加入すれば、もしその方が死亡や所定の高度障害状態になってしまった場合に残りの返済を全額免除してもらうことができます。
正確にいうと、団信から返済先である金融機関に保険金が支払われ、それが返済に充当されるという仕組みです。
残債の額と同額の保険金が支払われる契約になっていますので、団信に加入していれば、相続人が住宅ローンを背負うことはありません。
被相続人(死亡した人)の持ち家をそのままプラスの財産として相続することができます。

団信の加入の有無を確認する方法

団信に加入しているかどうかは、被相続人の住宅ローン借入先、つまり、被相続人が生前にローンを返済していた金融機関で確認することができます。
返済中の金融機関がわからないときは、住宅の登記に抵当権が設定されているはずですので、登記事項証明書を取り寄せることで確認することができます。
もちろん住宅ローンの契約書や保険証書が見つかればそこからもわかりますし、預金通帳からの引き落としの記録、郵便物などからも推定することができるでしょう。
なお、団信の保険料は所得税の「生命保険料控除」の対象になりません。
よって、被相続人の確定申告書や勤務先が発行した源泉徴収票からはわからないので注意しましょう。

団信の確認はいつまでに行うべきか

相続人にとって重要なのは、相続放棄の期限です。
相続放棄は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。
よって住宅ローンが残っているときは、相続放棄の期限に遅れないよう金融機関に確認して調査を始める必要があります。
なお、財産や借金の状況がわからず判断がつかない場合は、期限を伸長するための申立てを行うことができますが、その期限も3か月以内となります。

住宅ローンが団信で返済された場合の相続税

被相続人の債務を相続したときは、その金額を相続財産から控除することができますが、団信で返済されている場合は、控除する金額がありません。
したがって、住宅ローンが団信で返済された場合の相続税は、ローンのない持ち家を相続したときと同じ扱いになります。
宅地や借地権があるときは、小規模宅地の特例(特定居住用財産)が適用できないかどうかも検討しましょう。
なお生命保険といえば「みなし相続財産」として相続税の対象になるものもありますが、団信の場合、保険金を受け取るのは金融機関ですから、これも関係ありません。

連帯債務者に所得税がかかることがある?

住宅ローンを組むとき、配偶者などを「連帯債務者」とすることがあります。
「連帯債務」というのは、1つの借金について、各人が全額を弁済する義務をもつことです。
たとえば夫が知人Aさんから1,000万円を借りて妻がその連帯債務者になった場合、妻は夫と同様に、Aさんに1,000万円を返さないといけない義務を負います。(夫が1,000万円を返せば、妻の債務もなくなります。)
さて、団信によって連帯債務者の債務がなくなった場合、税法上はどのような考え方になるのでしょうか。
過去の国税不服審判所の裁決では、団信によって連帯債務がなくなった場合、その経済的利益は連帯債務者の一時所得にあたるとした事例があります。(H18.12.15裁決事例)
あくまで特定の事例での判断ですが、支払うべきものが免除されると課税されるというのは日常生活でも問題になりやすい話ですので注意しておきましょう。

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