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相続手続きを専門家に任せるメリット
今回は、相続手続きを専門家に任せるメリットについて解説します。
目次
相続手続きには必要な専門知識が多い
相続手続きは、相続発生後から専門家に頼るべきところが多い手続きです。
特に相続財産の調査や相続人の調査では、さまざまな観点から専門知識が必要になります。
相続財産の調査で専門知識が必要になる理由
相続放棄・限定承認
相続では預貯金などプラスの財産だけでなく、被相続人(亡くなった人)が生前に負った義務も承継しなければなりません。
つまり、借金やローンの返済義務の有無です。
こうした負の財産がプラスの財産を上回る場合、一般的には相続放棄や限定承認の判断をします。
相続放棄や限定承認とは民法に定められた手続きです。
利用するには、家庭裁判所に対し、原則として相続から3ヶ月以内に申し出を行います。
被相続人の借金返済で苦しむことのないよう、財産や負債を漏れなく把握する知識やノウハウが必要になります。
遺産分割
遺産相続をする相続人や包括受遺者で遺産分割を行う際、財産の目録を用意してから集まって協議することが一般的です。
したがって、遺産分割協議をする前に相続財産を漏れなく調査しておく必要があります。
相続税申告
相続財産の調査結果から、相続税申告が必要かどうかも判断しなければなりません。
正味の遺産総額が相続税の基礎控除額(3,000万円+法定相続人の数×600万円)以下であれば相続税申告は必要ありませんが、申告を要件とする特例を使用する場合は、基礎控除額以下でも申告しなければならないことがあります。
また、相続税の課税対象となる財産は、遺産分割の対象となる財産の範囲と異なる部分があります。
たとえば、死亡保険金や死亡退職金なども申告対象に含めなければなりません。
つまり、相続財産の調査をする際は、税務申告の観点をもって行わなければ、調査が足りずにやり直さなければならなかったり、課税財産の把握漏れで相続税や加算税などを追徴されたりするおそれがあります。
相続人の調査で専門知識が必要になる理由
相続人を正確に調査しなければ、財産の相続手続きを正しく進めることができません。
相続人をよく調査せずに遺産分割協議を進めると、後に「私も相続人です」という人物が現れて、せっかく済ませた遺産分割がやり直し…という事態が起こり得ます。
また、そもそも登記や金融機関では調査に不備があると名義変更等の手続きを受け付けてくれません。
相続人とは、民法に定められた配偶者や一定の親族をいいます。
誰が相続人になるかは、被相続人の最新の戸籍(死亡時の戸籍)から出生時まですべての戸籍を収集して読み解かなければなりません。
「そんなことを調べなくても、子どもは私たちだけです」と言いたくなると思うのですが、この調査をしなければ、他に戸籍上の子がいないということを現行の戸籍制度では確認することができないのです。
前配偶者の子が今の戸籍に載っていないのはよくあることですし、結婚していない相手との子でも認知をしていれば、その人物は相続人になります。
「こうした人が他にいない」ことを、戸籍を漏れなく収集して証明する必要があるのです。
戸籍は、当時の本籍地を管轄する役所に交付申請をする必要があります。
場合によっては原戸籍の取得も必要です。 こうした戸籍の知識がなければ、死亡から出生までの戸籍を集めるのはかなり難しいといえます。
相続手続きを専門家に相談するメリット
財産や相続人の調査は、多くの専門家が行っています。
その中でも士業に相談する場合は、財産や相続人の調査に加えて、特に下記のメリットが得られます。
税理士に相談するメリット
税理士は、税務の専門家です。
相続税をもっとも節税できる遺産分割方法の提案や、財産評価や準確定申告・相続税申告までお任せできます。
早めに相談しておくと、税務調査が入ったときの視点で財産調査のアドバイスをもらえるため申告漏れの心配がありません。
生前の相談であれば、より効果的な相続税の節税対策を提案してもらえます。
司法書士に相談するメリット
司法書士は、登記の専門家です。
不動産などの相続登記の手続きはもちろん、事業承継などで役員が変わる場合は、法人の変更登記も任せることができます。
弁護士に相談するメリット
法律全般の専門家です。
相続関係者ともめた時や遺留分を請求したい時など、その人の法定代理人となって相手と交渉してもらうことができます。
注意点:「相続専門」であるか確認を
士業であっても相続の専門家であるとは限りません。
お医者さんに外科医や内科医がいるように、士業にも相続を専門とする者とそうでない者がいます。
相続専門の士業事務所にはノウハウがあり、色々な悩みをお客様と解決した実績のあるスタッフがそろっています。
相続に関係する判例の研究や法改正など時代の変化に対応できることも、相続専門の事務所の強みです。
士業に相談する際は、必ず「相続専門」であることを確認しましょう。
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