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相続人の中に不在者(行方不明者)がいる場合の相続手続

2018年10月15日
法務

 

 

相続人の中に不在者(行方不明)がいる場合

通常、遺産を相続するための遺産分割協議は、相続人全員が集まり、話し合いによって協議します。

 

しかし、相続人の中の一人が行方知れずになっており、連絡が付かない場合は遺産分割協議を行うことができません。そのようなケースで、どうしても処分ができない不動産や預貯金等があり困っているというケースは少なくありません。

 

そこで、ある行方不明の相続人(不在者)に代わって遺産分割協議に参加することができるのが不在者財産管理人という制度です。

「不在者」とは

不在者とは従来住んでいたところを離れて容易に戻る見込みのない人を指します。つまり、亡くなっている可能性が高い人だけではなく、どこかで生きてはいると思うけど連絡が取れない人も含まれます。

 

ただし、不在者でも失踪宣告が認められた場合には死亡が実際に確認されてはいなくとも、民法において本人の死亡を法的に認めることができます。

「不在者財産管理人」とは

その名のとおり行方不明の人(不在者)の財産を管理する人のことで、家庭裁判所に申し立てることで選任されます。

相続の場面では、不在者である相続人がいる際に、その相続人の財産を管理し、家庭裁判所の許可を得た上で、不在者の代わりに遺産分割協議に参加することが可能です。

「不在者財産管理人」になれる人

家庭裁判所では通常、不在者との利害関係の有無や関係性などを考慮して的確性が判断し選任しています。

そのため、一般的には以下のような方がなるケースが多くなります。

 

・利害関係のない被相続人の身内

・司法書士や弁護士などの専門家

「不在者財産管理人」を立てるための要件

利害関係人(不在者の配偶者,相続人にあたる者,債権者など)や検察官が家庭裁判所に不在者財産管理人の申し立てをします。

その際に不在者については「1年以上行方不明である」という事が要件となります。

1年未満の場合はその不在者に対して財産管理人を立てる事が出来ませんのでご注意下さい。

「不在者財産管理人」の職務終了のタイミング

不在者財産管理人の職務終了のタイミングは大きく次の3つが挙げられます。

 

1.不在者が現れた場合

2.不在者の死亡が確認された場合

3.不在者の失踪宣言がなされた場合

 

上記3つの場合にはじめて不在者財産管理人は職務を終了する事となります。決して遺産分割協議が終わった時点で職務期間は終了というわけではありませんので注意が必要です。

「不在者」が民法上の死亡と認められるには

実際のところ現実問題として財産や権利が残されていても本人の死亡が認めれらなければ様々な支障が出てきます。

そこで「不在者」の生死については民法では以下のように取扱います。

行方不明者

行方不明からある程度の期間が経っていることが条件です。「数日前には連絡がついていたが、最近は急に連絡が取れなくなった」程度では不在者とは言い切れません。従来の住所又は居所を去って容易に帰来する見込みのない者をいいます。(民法25条)

その際生死不明であることは求められません。(※あまりにも長期の不在の場合は、別に失踪宣告という該当者を死亡したものとみなすための制度があります。具体的には7年間生死が確認されない場合に執行されます。)

災害等による行方不明

災害などによって生死が不明な場合は1年が経過した後に失踪宣告がされることとなっています。

なお、死亡の時期については危難が去った時点とされます。

まとめ

上記の不在者財産管理人を選任しての遺産分割協議は、家庭裁判所での手続や、遺産分割協議案の作成など少々手間と時間がかかる手続になっています。

 

しかし、相続人のなかに不在者がいらっしゃる場合は、原則、本手続によらなければ遺産分割協議を進めることができませんのでご注意下さい。

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