相続ブログ

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相続税納付までのスケジュール

2022年10月01日
税務

相続開始(故人が亡くなった日)から相続税を納付するまでの一般的なスケジュールを解説します。

7日以内~14日以内に行う手続き

死亡届

まずは、死亡届を7日以内に提出します。

提出先は、故人の死亡地や本籍地、届出人の所在地のある区役所や市役所、町村役場です。

死亡届を提出することによって、火葬(埋葬)の申請ができるようになります。

公的保険(年金・医療・介護)における資格喪失の手続き

死亡時に加入している公的保険(年金・医療・介護)の資格喪失の手続きを行います。

手続き先、期限や方法は、保険の種類で変わります。

保険の種類を確認し、区市町村役場や年金事務所に連絡しましょう。

3か月以内に行う手続き

相続人の調査

誰が相続人になるのかを、故人の戸籍謄本(全部事項証明書)から調査します。

最近の戸籍謄本だけでは足りず、死亡時から出生時までの一連の戸籍謄本が必要です。

場合によっては、複数の役所に交付申請を行うことになります。

なお、故人の戸籍謄本に死亡届の内容が反映されるまでには、役所によって3日~1週間程度かかります。

相続財産・債務の調査

故人の財産(例:現金、預貯金、金融資産、不動産、財産的価値のある権利など)や債務(例:ローンや借金など)を調べます。

一般的な方法としては、遺品を整理して、預金通帳やキャッシュカードから口座のある金融機関を確認したり、税金に関係する書類や金融機関からの郵便物など、財産に関係しそうな書類をチェックします。債務がありそうな場合は、信用情報機関への照会なども行います。

なお、一般的な相続財産と、相続税の課税対象となる財産には、その範囲に若干違いがあります。 後の相続税申告に備えて、相続税の知識がある者を交えて確認することがベストです。

遺言書の有無の確認

遺言書には、故人の財産目録や、特定の人にどの財産を取得させるかについて書かれている場合があります。

よって、早めに見つけておくと、相続財産の調査や後の遺産分割がスムーズになる可能性があります。

故人が生前に作成した遺言書を、法務局(遺言書保管所)に預けている場合もあります。

(参考)法務省:自筆証書遺言書保管制度

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html



なお、自宅などから見つかった遺言書が公正証書による遺言でない場合は、その遺言書を家庭裁判所に持ち込み、検認を受ける必要があります。

この時、遺言書に封がしてある場合は、未開封のまま持参する必要がある点に注意してください。

(参考)裁判所HP:遺言書の検認

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_17/index.html

相続放棄などの手続き

相続放棄をする場合は、原則、相続の開始から3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申立てを行います。(借金などの債務も含め、すべての遺産を相続するのであれば必要ありません。)

(参考)裁判所HP:相続の放棄の申述

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html



相続の限定承認(故人の債務を、故人の財産額の範囲に限定して承継するもの)の手続きをする場合も同様です。ただし、相続放棄と異なり、相続人全員で申請する必要があること、相続人の立場を失うわけではないため財産の清算手続きをすることが求められます。

(参考)裁判所HP:相続の限定承認の申述

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_14/index.html

4か月以内に行う手続き

準確定申告

遺族が故人に代わって、死亡日までの所得税の確定申告を行うことを、「準確定申告」といいます。

亡くなった年の「1月1日~死亡日まで」の故人の所得を計算して、亡くなった日の翌日から4か月以内に税務署に申告し、所得税を納税します。

亡くなった時期によっては、前年の確定申告が終わっていない場合があり、この場合は、2年分(死亡年分とその前年分)の準確定申告が必要になることがあります。

(参考)国税庁:納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm



準確定申告の必要性は、通常の確定申告と同じ基準で判断します。

全ての相続で準確定申告が必要になるわけではありません。

(参考)国税庁:確定申告が必要な方

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm

10か月以内に行う手続き

遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続人同士で、誰が何の財産を取得するかを決める話し合いのことです。

話合いがまとまったら、その内容を「遺産分割協議書」にして、各人の実印で作成します。

作成した遺産分割協議書は、財産の名義変更などに使用します。

相続税申告

相続や遺贈(遺言によって財産を取得すること)によって財産を取得した人は、亡くなった日の翌日から10か月以内に、相続税の申告・納税をします。

課税対象になる正味の財産額が基礎控除以下である場合は、相続税の申告が不要になる場合もありますが、適用する特例によっては申告が必要になることや、そもそも相続税の課税対象になる財産が一般的な相続財産とやや異なることから、安易な判断は禁物です。

相続税は、誰が何の財産を取得するかで最終的な税額が変わるため、申告書を作成するタイミングは、遺産分割の後になります。

ただし、申告期限までに遺産分割がまとまりそうにない場合は、未分割の財産を法定相続分で取得したと仮定し、とりあえず相続税の申告を期限内に行います。

相続の手続きは税理士に相談を

相続にともなう手続きは、多くの方にとってなじみのないものです。

民法や税法の専門知識が必要になる場面もたくさんあります。

特に相続税の計算は専門性が高く、早く知っていれば相続税をもっと安くできたのに、というような取り返しのつかない要素もあります。

相続に不安がある方は、相続専門の税理士にご相談ください。