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払いすぎた相続税、返ってくる?
2022年01月01日
法務税務
支払い過ぎた相続税があるとわかったとき、相続税は納税者側から更正の請求をすることによって、還付を受けることができます。 ただし、還付の請求には時効があります。
目次
相続税を支払い過ぎてしまう原因
相続税は自分で計算しなければならない
相続税は、申告納税制度を採用する税の一つです。 申告納税制度とは、納税者が自ら納税額を計算して税務署に申告する制度をいいます。 税に対する知識の有無にかかわらず申告しなければならないのですから、当然、計算を間違えるリスクがあります。相続税の計算が難しい
相続税の計算は、相続税法で定められた方法によって行います。 ところが税法というものは、おおむね複雑にできており、至るところに間違えやすいポイントがあります。 相続税の計算をわかりやすく解説した本やサイトはたくさんありますが、一体どの情報が自分の相続税の計算に使えるものであるかという肝心な部分を自分で判断できなければ、正しく計算することはまず不可能です。過大申告を税務署が教えてくれることはない
税務署は、税を多く納めている者に対しては無関心であると認識しておきましょう。 限られた人員で悪質な納税者を見つけて税務調査を行い、税を追徴することに労力を割かなければなりませんから、こうなることは必然といえます。 また、仮に職員の一人が申告書に間違っていそうな箇所があると気が付いても、その職員の親切心で納税者に伝えていたら不公平が生じますので、このあたりの対応は一貫しているはずです。 「もし税額が多ければ税務署が教えてくれるだろう」という考えで申告をしても、税金は還ってこないと思ってください。相続税を多く納めてしまうケース
相続した財産を高く評価し過ぎた
相続した財産が物や権利であるとき、納税者が時価で評価(金額に換算することを)しなければならないのですが、財産評価には専門知識が必要です。 特に土地は、土地の地目、利用単位、形状などの違いで多くのルールが定められており、実は専門家でも一円単位で同じ評価ができないと言われています。 特に、路線価地域にある宅地は、路線価が標準的な土地をベースに設定されているという性質上、個別の土地ごとの事情が路線価に反映されていない場合が多いため、減額できるケースが多いと考えてよいです。 倍率方式による宅地でも、その固定資産税評価額に減額要素が反映されていなければ、減額できる可能性があります 以下、宅地を相続したとき、減額できる可能性のあるケースの一部をご紹介します。【宅地のチェックポイント】
- 不整形地
- 長方形や正方形でない宅地は、減額できる可能性があります。土地の形状に応じて評価方法が選択できますので、もっとも評価額が低くなる方法を専門家に見てもらうことが得策です。
- 地積規模の大きい土地
- 面積が1,000㎡以上(三大都市圏の土地は500㎡以上)の宅地の場合も、減額できる可能性があります。
- 無道路地(接道義務を果たしていない)
- 接道義務を果たさなければ建築物を建築できないという建築基準法の規制に基づき、評価額から一定額を減額できる可能性があります。同法の規制によるセットバック部分を含む宅地も減額できます。
- 容積率が異なる部分がある
- 接道している道路の路線価に、容積率の低い部分が反映されていない場合、路線価を減額補正できる可能性があります。接道している道路の路線価に、容積率の低い部分が反映されていない場合、路線価を減額補正できる可能性があります。
- 私道が含まれている
- 相続した宅地内に、他者の通行にも使用されている部分(私道の部分)があれば、その部分の評価額から一定額を減額できる可能性があります。
- 土地に他者の権利が設定されている
- 借地権、地上権、区分地上権、地役権などに基づいて、土地を他者が利用している場合、その利用権に相当する評価額を、土地を自用とした場合の評価額から減額することができます。高圧電線の架設のように、空間に権利が設定されている場合もあります。
- 都市計画道路予定地
- 都市計画法上の道路予定地として建築制限を受けている部分がある場合、その部分が宅地に占める割合に応じて評価額を減額できる可能性があります。
減額特例を適用し忘れた
一定の要件下で、評価額を減額できる場合もあります。 たとえば、相続した宅地の評価額を80%も減額できる可能性がある小規模宅地等の特例は、適用を忘れると税額に大きな差が生じます。相続税を払い過ぎているとわかったら「更正の請求」
法定申告期限(相続開始の翌日から10か月)から5年以内であれば、税務署に「更正の請求書」を提出することで、払い過ぎた税の還付を受けることができます。 なお、後発的な理由によって行う相続税の更正の請求については、それらの事実が生じた日の翌日から2か月又は4か月以内という別の期限が設けられています。 つまり、5年を経過していても請求できるケースがあるということです。ただし、未分割財産を法定相続分で申告し、遺産分割が調った後、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って更正の請求をする場合は、特例に対する期限が別に設定されていることに注意が必要です。
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