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ペットは相続人になり得るか

2017年06月14日
その他

ペットははたして相続人になる得るのでしょうか??

 

pet

 

孤独死が問題となっている昨今において、自分に「もしも」のことがあった場合に、一緒に暮らしているペットはどうなるのだろうと不安に思う方は少なくないのではないでしょうか。また、自分の財産をペットに残したいと考える方もいらっしゃるかと思います。社会的にも、高齢化を迎えた現在、飼い主亡き後のペットを誰がどのように世話するのかというのは重要な問題となってきています。

 しかし、結論から言うとペットに自分の財産を直接相続させることは法律上不可能です。なぜなら、法律というのは、「人間の人間による人間のため」に作られたものであり、人間以外は全て「物」として取り扱われ、権利義務の主体となれないからです。つまり、ペットに財産を全て残すという遺言を作成しても、それは無効になってしまいます。

 

全世帯の約7割がペットを飼っているといわれている「ペット大国」アメリカでは、昔からペット動物をめぐる問題が議論されており、ペットに間接的に財産を相続させるペット信託という制度が州によって認められているそうです。

これにより愛犬に1200万ドル(約14億円)もの大金を相続させるという遺言を残していた大富豪がニュースになったこともありました。(その後遺族による裁判の結果200万ドルまで減額されたそうですが・・・)

 

①負担付遺贈・負担付死因贈与

日本では、従来、負担付遺贈・負担付死因贈与によって間接的にペットに相続をさせるという方法が用いられてきました。これは、ペットの世話をしてもらう代わりに自分の財産を渡すという方法です。しかし、これは受贈者が拒否することが可能であることや、負担を履行しない場合があること等が問題点として挙げられてきました。

 

②ペット信託

 2006年の信託法の改正により、日本でもいわゆるペット信託が認められました。ペット信託とは、飼い主が委託者となり、金銭などを受託者となる者(信託銀行等)に信託譲渡し、受託者のもとで信託財産を管理しながら、ペットの世話を行うものに対して定期的に一定額の給付をする仕組みです。この場合では、財産を受け取る者とペットの世話をする者が別になるため、相互に監視する機能が働き、より飼い主の希望に沿った形に財産が使われる可能性が高くなると考えられています。

 

いずれにしても、最終的にペットの世話をするのは人間になるので、いかに信頼できる人を見つけるかがカギになるのかもしれません。