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旧民法による相続

2017年12月28日
法務

現在の相続制度は昭和56年1月1日から適用されていますが、それ以前は相続分が今とは異なっていましたし、誰が相続人になるのかも異なっていました。

今回は昭和22年5月2日以前の相続制度についてご紹介します。

 

 

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当時の相続については、戸主についての「家督相続」と、戸主以外の者についての「遺産相続」がありました。

 

まず、家督相続についてですが、これは前戸主の全ての財産を家督相続人が一人で相続する制度です。他の家族と協議をする必要はありませんでした。

家督相続は、戸主が死亡したときだけでなく、戸主が隠居したときなども発生します。

家督相続が発生した場合、第一順位の相続人は直系卑属であり、原則として長男が単独で全財産を相続することになっていました。第一順位の相続人は相続放棄をすることができなかったのも特徴です。

 

 

次に、遺産相続ですが、これは戸主以外の者が死亡することによって開始する相続のことをいいます。

 

第一順位の相続人が直系卑属である点については家督相続と同じですが、長男等が単独で相続するわけではなく、親等が同じ者で共同相続することになっていました。

 

第二順位配偶者です。配偶者は他の者と共同相続するのではなく、単独で相続することになっていた点が現行民法とは異なります。

 

第三順位直系尊属で、直系卑属と同様に、親等が同じ者で共同相続することになっていました。

 

第四順位は戸主です。第三順位までの者がいないときには戸主が遺産相続人となっていました。

 

 

何十年も前の制度ですが、土地や建物の名義を確認してみたら顔も名前も知らない御先祖様の名義のままだったということが稀にあります。

そのときは現在の法律が適用されず、当時の「家督相続」や「遺産相続」によって名義変更していくこともあります。