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【滋賀の相続税対策】物納は使える?令和7〜8年の地価動向と納税の注意点

2026年03月10日
滋賀税務

   

相続税は、原則として現金で一括納付することとされています。しかし、相続財産の多くが土地や建物で、手元の現金が十分でない場合には「物納」という制度を利用できる可能性があります。

物納は以前からある制度で、令和7〜8年に大きな法改正があったわけではありません。ただし、近年の地価動向や不動産市場の変化を踏まえると、検討の仕方には注意が必要です。

制度の概要は国税庁でも公表されていますが、実際の判断は個別事情によって異なります。

物納とはどのような制度か

物納とは、相続税を現金で納めることが難しい場合に、一定の条件を満たせば不動産などの財産そのもので納税できる制度です。

ただし、

・まずは現金納付が原則
・延納(分割払い)でも難しい場合に限られる
・申告期限(相続開始から10か月以内)までに申請が必要

という前提があります。

「土地があるから物納できる」という単純な仕組みではない点は、あらかじめ理解しておく必要があります。

滋賀県の地価動向と相続税への影響

相続税の土地評価は、毎年公表される路線価を基準に計算されます。路線価は地価公示価格を参考に設定されているため、地価の動向をある程度反映します。

令和7年分の路線価は全国平均で上昇しています。滋賀県内でも、草津市・守山市・大津市など利便性の高いエリアでは上昇傾向が見られます。一方で、地域によっては横ばい、あるいは下落している地点もあります。

地価が上がると、同じ土地でも相続税評価額が高くなる可能性があります。その結果、

「思っていたより相続税がかかる」
「納税資金が不足する」

という状況が生じ、物納を検討するケースが出てきます。

ただし、路線価はあくまで税務上の評価基準であり、実際の売却価格(実勢価格)とは必ずしも一致しません。この点は判断を誤らないためにも重要です。

物納を検討する際の注意点

その土地は管理・処分しやすいか

物納が認められるには、国が管理や処分をしやすい財産であることが求められます。

例えば、

・境界が確定していない土地
・共有持分のみの土地
・接道状況が悪い土地

などは、追加資料の提出や補正が必要になる場合があります。事前に測量や権利関係の整理をしておくことが望ましいでしょう。

相続税の計算が適正か

物納を考える前に、相続税の計算が正しく行われているかを確認することが大切です。

・小規模宅地等の特例は使えるか
・借入金などの債務控除は漏れていないか
・生命保険の非課税枠は適用されているか

これらによって税額が大きく変わることがあります。結果として、物納を選ばなくても済むケースも少なくありません。

他の方法との比較

物納は一つの選択肢ですが、必ずしも最適とは限りません。

・延納で分割納付する
・一部の不動産を売却する
・金融機関から一時的に資金を借りる

といった方法と比較したうえで判断することが現実的です。

まとめ

相続は「いつか来るもの」と分かっていても、なかなか具体的に考える機会がないものです。令和7〜8年に物納制度そのものが大きく変わったわけではありませんが、滋賀県内でも一部地域で地価上昇が見られる中、相続税評価額が高くなり税額に影響するケースは現実にあります。

まずは、

・現在の評価額を知ること
・相続税が発生するかどうかを確認すること
・納税資金の準備方法を整理すること

この3点を押さえておくだけでも、将来の見通しが立ちやすくなります。

少しでもご不安な点や疑問があれば、お気軽に当事務所までご相談ください。