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亡くなった親の確定申告(準確定申告)|4か月の期限と必要な人・不要な人

目次
準確定申告とは、亡くなった年の所得を相続人が申告する手続きです
親が亡くなったあと、葬儀や役所の手続きに追われているうちに見落とされやすいのが、亡くなった方の所得税の申告です。これを準確定申告といいます。亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得について、相続人(亡くなった方の財産を引き継ぐ人)が代わりに申告と納税をします。
滋賀県では、令和6年に亡くなった方が15,523人いました。そのうち相続税がかかったのは1,435人で、割合は9.2%です(出典:令和6年分 相続税の申告事績の概要(大阪国税局))。相続税がかかる方は1割に満たない一方で、亡くなった方の所得税の申告は、事業収入や不動産収入があれば財産の多い少ないに関係なく必要になります。相続税がかからないから税金の手続きは何もない、とは限りません。
亡くなった直後に何をどの順番でするかは、親が亡くなったら最初にすること【期限順】にまとめています。この記事では、その中の所得税の申告に絞って説明します。相談の場でも、準確定申告という手続き自体を知らなかったというご家族が多くいらっしゃいます。4か月の期限があるので、亡くなった方に事業や不動産の収入があった場合は、早めに準備を始めることをおすすめします。
期限は相続の開始を知った日の翌日から4か月以内です
4か月の数え方
申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です(出典:No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)(国税庁))。通常の確定申告のように「翌年3月15日まで」ではありません。たとえば6月10日に亡くなったことを知った場合、期限は10月10日です。相続放棄の期限(3か月)と相続税の申告期限(10か月)のあいだに来るので、手続きが重なる時期になります。
1月1日から3月15日までに亡くなったとき
年の初めに亡くなった場合は注意が必要です。亡くなった方が前年分の確定申告をまだしていなかったときは、前年分と亡くなった年の分の2年分を、どちらも4か月以内に申告します。たとえば2月に亡くなり、前年分の確定申告書を出していなかった場合、前年分も3月15日ではなく4か月後が期限になります。
相続人が2人以上いるとき
相続人が複数いる場合は、原則として全員の氏名を書いた申告書を連名で提出します。亡くなった方の相続人の氏名や相続分を書く「付表」を添付します。事情があって連名にできない場合は、ほかの相続人の氏名を書いたうえで、各人が別々に提出することもできます。この場合は、提出した内容をほかの相続人に知らせる必要があります。
申告が必要な人・不要な人
申告が必要になる主なケース
亡くなった方に次のような収入があった場合は、申告が必要になる可能性が高いです。
- 個人事業(お店・農業・一人親方など)の収入があった
- アパート・駐車場・田畑の貸し付けなど、不動産の収入があった
- 給与の収入が2,000万円を超えていたなど、会社員でも確定申告が必要な条件に当てはまっていた
- 年金以外の所得が20万円を超えていた
年金だけの方は不要なことが多い
公的年金の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下の方は、所得税の確定申告が不要とされています(出典:No.1600 公的年金等の課税関係(国税庁))。年金で暮らしていた親の場合、申告をしなくてよいケースが多いのはこのためです。
不要でも、出したほうがよい場合がある
申告が不要な方でも、所得税が戻ってくる(還付される)場合は申告したほうが得です。年金から差し引かれていた所得税が、亡くなった年は年の途中までの収入しかないため、払いすぎになっていることがあります。入院が長かった場合の医療費控除も同じです。還付を受けるための申告は、4か月の期限を過ぎてからでも一定の期間内であれば出せます。
計算で間違えやすい3つの点
医療費は亡くなった日までに払った分だけ
医療費控除の対象になるのは、亡くなった日までに本人が支払った医療費だけです。亡くなったあとに家族が支払った入院費は、この申告では控除できません。そのかわり、亡くなった時点で未払いだった医療費は、相続税の計算で「債務」として差し引けます。社会保険料や生命保険料の控除も、亡くなった日までに支払った分が対象です。
扶養しているかどうかは亡くなった日で判断する
配偶者控除や扶養控除は、亡くなった日の状況で判定します。年の途中で亡くなったからといって、月割りで減らすことはありません。
還付金と納めた税金は、相続税の計算にも入る
準確定申告で戻ってきた所得税は、亡くなった方の財産として相続税の計算に含めます。この点はご存じない方が多く、還付金を相続財産から漏らしてしまうケースがよくあります。反対に、この申告で納めた所得税は、相続税の計算で債務として差し引けます。相続税の申告が必要なご家族は、所得税の申告の数字をそのまま相続税の申告に使うことになります。相続税がかかるかどうかの目安は、相続税がかかるかどうか不安な方へで確認できます。
事業を継ぐときと、相続税・相続登記との段取り
青色申告を引き継ぐ場合は、申請の期限が別にある
亡くなった方が青色申告をしていた事業を相続人が引き継ぐ場合、相続人が自分で青色申告の承認申請書を出す必要があります。期限は亡くなった日によって3つに分かれます(出典:No.2070 青色申告制度(国税庁))。
| 亡くなった日 | 相続人の青色申告承認申請の期限 |
|---|---|
| 1月1日〜8月31日 | 亡くなった日から4か月以内 |
| 9月1日〜10月31日 | その年の12月31日 |
| 11月1日〜12月31日 | 翌年2月15日 |
所得税の申告の期限と近いので、事業を継ぐ場合は2つをまとめて準備すると漏れを防げます。亡くなった方が消費税の課税事業者だった場合は、消費税の申告も同じく4か月以内です。
期限を過ぎるとどうなるか
納める税金がある準確定申告を期限までに出さなかった場合、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。期限を過ぎてしまったときの考え方は、相続税の申告期限を過ぎたらどうなる?も参考になります。気づいた時点で早めに申告するほど、加算される金額は小さくなります。
税務と登記をまとめて進める
準確定申告のあとには、相続税の申告(10か月以内)や、不動産の名義を変える相続登記が続きます。当事務所は税理士と司法書士が連携しているため、所得税の申告から相続税の申告、相続登記までを1か所で進められます。どの専門家に何を頼めばよいか迷う場合は、相続手続きは誰に頼む?で役割の違いを整理しています。税務と法務の相談を同じ窓口でまとめてでき、集めた資料も税理士と司法書士で共有できるため、手続きが終わったあとに「まとめて頼んでおいて助かった」とおっしゃっていただくことが多くあります。
まとめ
準確定申告は、亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得を、相続人が代わりに申告する手続きです。期限は相続の開始を知った日の翌日から4か月以内で、年の初めに亡くなった場合は前年分も同じ期限になります。
年金だけで暮らしていた方は申告が不要なことが多い一方、事業や不動産の収入があった方は必要です。不要な場合でも、所得税が戻ってくるなら申告したほうが得になります。医療費は亡くなった日までの支払い分だけが対象で、還付金や納めた税金は相続税の計算にもつながります。相続税や相続登記とあわせて、早めに段取りを立てておくと安心です。
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