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相続税の申告期限を過ぎたらどうなる?ペナルティと今すぐやるべき対処法

2026年03月21日
税務
相続税の申告期限を過ぎたらどうなる?ペナルティと今すぐやるべき対処法

「気づいたら10か月を過ぎていた」という相談は珍しくない

相続税の申告期限は、被相続人(亡くなった方)が亡くなった日の翌日から10か月以内です。たとえば2026年1月15日に亡くなった場合、申告期限は2026年11月15日になる。

10か月と聞くと余裕がありそうに思えるが、実際には葬儀・四十九日・遺産の調査・遺産分割協議と手続きが重なり、気づいたときには期限を過ぎていたというケースは少なくない。全国の相続税申告件数は令和5年分で155,740件にのぼり(国税庁 令和5年分相続税の申告事績の概要)、年々増加傾向にある。件数が増えれば、期限後申告になるケースも比例して増える。

当事務所にも、10か月の期限を過ぎてから相談に来られる方はいる。財産の把握が遅れていたケースや、そもそも相続税の申告が必要だと気づくのに時間がかかったケースが目立つ。

滋賀県でも相続税の課税割合は6.56%で、約15人に1人が相続税の対象になっている(国税庁統計)。相続税がかかるかどうか不安な方への記事で基礎控除の計算方法を確認できるが、「うちは大丈夫だろう」と思っているうちに期限を過ぎてしまう方も実際にいる。

期限を過ぎるとどんなペナルティが発生するか

申告期限を過ぎても相続税の申告自体は受け付けてもらえる。ただし「期限後申告」として扱われ、本来の税額に加えてペナルティが課される。

無申告加算税

期限までに申告しなかった場合に課される税金で、税率は状況によって異なる。

自分で気づいて自主的に申告した場合:納付すべき税額の5%が加算される。ただし、申告期限から1か月以内に自主的に申告し、かつ法定申告期限までに納付すべき税額の全額を納付していれば、無申告加算税は課されない。

税務調査の通知を受けてから申告した場合:納付すべき税額の10〜15%が加算される。50万円を超える部分には15%が適用される。

税務調査で無申告が発覚した場合:納付すべき税額の15〜20%が加算される。50万円を超える部分には20%が適用される。

たとえば相続税額が500万円で、税務調査の通知後に申告した場合、50万円×10% + 450万円×15% = 72万5,000円の無申告加算税がかかる計算になる

延滞税

申告期限の翌日から実際に納付するまでの日数に応じて、利息のように加算される。令和7年(2025年)の税率は以下のとおり。

  • 申告期限の翌日から2か月以内:年2.4%
  • 2か月を超えた期間:年8.7%

延滞税は日割りで計算されるため、1日でも早く納付すればそれだけ金額が減る。

重加算税(悪質な場合)

意図的に財産を隠した場合や、虚偽の申告をした場合には重加算税が課される。税率は35〜40%と非常に高く、税務署が「意図的な隠蔽・仮装」と判断した場合に適用される。相続税の税務調査はどんな人が対象になる?の記事で調査の流れを確認しておくとよい。

期限後申告で「使えなくなる特例」がある

ペナルティの税額よりも深刻な影響を及ぼすのが、一部の税額軽減特例が使えなくなるリスクです。

小規模宅地等の特例

自宅の土地を相続する場合に評価額を最大80%減額できる特例だが、原則として申告期限までに遺産分割が完了し、申告書を提出していることが適用条件になる。期限内に遺産分割が終わらなかった場合でも、「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書に添付しておけば、分割後に更正の請求で適用を受けられる。ただし、この手続きを知らずに何も出さないまま期限を過ぎると、特例を使えなくなる可能性がある。詳しくは小規模宅地等の特例の解説を参考にしてください。

期限後申告の場合、これらの特例が使えなくなるデメリットは加算税以上に大きい。特例の適用可否で相続税額が数百万円単位で変わるケースもあるため、申告期限の管理は最優先事項だ

配偶者の税額軽減

配偶者が取得する遺産のうち、1億6,000万円または法定相続分のいずれか大きい方までは相続税がかからないという制度です。この特例も申告が前提になるため、無申告のままだと適用されない。期限後申告でも申告すれば適用は可能だが、遺産分割が完了していることが条件になる。

期限を過ぎたと気づいたら、まずやるべきこと

「もう遅い」と思って放置するのが最も損をするパターンだ。期限を過ぎていても、できることは残っている。

①早急に税理士に相談する。期限後でも申告はできるし、自主的に申告すれば無申告加算税は5%で済む(税務調査後なら15〜20%になる)。1日でも早く動いたほうがペナルティは小さくなる。

②遺産分割が終わっていない場合は「未分割」で申告する。遺産分割協議が長引いている場合、法定相続分で仮の申告を行い、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付する。これにより、分割確定後に小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を適用できる。

③財産の棚卸しを進める。不動産の評価、預金残高の確認、生命保険金・退職手当金の有無など、遺産の全体像を把握する。特に被相続人名義の預金口座は、取引履歴を過去5〜10年分取得しておくと、税務調査での指摘を受けるリスクを下げられる。

当事務所では、期限後に相談に来られた方に対して、せめて延滞税が少なくなるよう、なるべく早期に申告・納付できるようサポートしている。1日でも早く動くことがペナルティを最小限に抑える唯一の方法です。

まとめ

相続税の申告期限(10か月)を過ぎると、無申告加算税(5〜20%)と延滞税(年2.4〜8.7%)が発生する。さらに、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が使えなくなるリスクもあり、ペナルティの税額以上に損をする可能性がある。

期限を過ぎたことに気づいた時点で税理士に相談し、自主的に期限後申告を行うのが最善の対処法です。税務調査の前に動けば、加算税は5%で済む。遺産分割が未了でも未分割申告という方法がある。「もう遅い」と放置するほど、ペナルティは確実に膨らんでいく。

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