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認知症で親の口座が凍結される前に|家族信託で財産を守る方法を滋賀の専門家が解説

2026年03月17日
法務
認知症で親の口座が凍結される前に|家族信託で財産を守る方法を滋賀の専門家が解説

親が認知症になったら預金が引き出せなくなる

「父が認知症と診断されたら、銀行口座が凍結されて生活費が下ろせなくなった」。こうした相請が増えています。

銀行は、口座名義人の判断能力が低下したことを知った時点で、その口座を制限(いわゆる「凍結」)します。窓口での引き出しやATM操作だけでなく、公共料金の引き落としや振込も止まります。本人のためであっても、家族が代わりに操作することはできません。

滋賀県の高齢化率3��ど27.5%で、75��5以上の後期高齢者は年々増加しています(滋賀県:県内の高齢者の状況等について)。全国的に、65歳以上の約5人に1人が認知症になるとされており(内閣府「高齢社会白書」)、滋賀県でも他人事ではない数字です。

実際に滋賀相続相談所でも、「親の不動産を売却して介護費用に充てたいが、すでに認知症が進んでいて手続きができない」というご相談が増えています。不動産だけでなく預貯金も動かせなくなるため、ご家族が立て替えを続けるしかない状況に追い込まれるケースは少なくありません。

家族信託とは何か

家族信託は、財産を持つ人(委託者=親)が、信頼できる家族(受託者=子)に財産の管理・処分の権限を訙す仕組みです。「信託契約」という形で公正証書にまとめ、法的効力を持たせます。

たとえば、父親が委託者、長男が受託者となり、「父の自宅不動産と預貯金1,000万円を長男が管理する」という信託契約を結びます。その後、父親が認知症になっても、長男は信託契約に基づいて預貯金を引き出したり、必要に応じて不動産を売却したりできます。

家族信託のポイントは、親の判断能力があるうちに契約を結ぶ必要があるという点です。認知症が進行してからでは契約できません。

家族信託の基本的なメリットについては「家族信託って何の役に立つの?5つのメリットを解説」でも紹介しています。

成年後見制度との違い

認知症になった後の財産管理には「成年後見制度」もあります。家族信託と成年後見は、どちらも財産管理の仕組みですが、使い勝手やコストが大きく異なります。

比較項目家族信託成年後見制度(法定後見)
開始のタイミング判断能力があるうちに契約判断能力が低下した後に申立て
財産管理の自由度契約内容に沿って家族が自由に管理家庭裁判所の監督ぁり。財産の処分に制限
不動産の売却信託契約に定めがぁれば可能裁判所の許可が必要
費用(初期)30万〜100万円(信託契約書の作成費用)申立費用 数万円+鑑定費用
費用(毎月)基本的に不要(家族が管理するため)専門職後見人の場合:月2万〜5万円
本人の介護・医療の判断対象外(身上監護はできない)対象(身上監護が含まれる)

成年後見制度の大きなデメリットは、専門職(弁護士・司法書士)が後見人に就任した場合、本人が亡くなるまで月額2〜5万円の報酬が発生し続けることです。10年間で240万〜600万円になります。

一方、家族信託は契約時に30万〜100万円程度の初期費用がかかりますが、家族が受託者となるため月額の報酬は原則発生しません。

ただし、家族信託には身上監護(入院手続きや施設入所の契約など)が含まれないため、それが必要な場合は任意後見契約を併用する方法もあります。成年後見を利用する前に知っておきたい注意点は「家族信託を活用する前に知っておくべき注意点とは」で解説しています。

当事務所でも、認知症が進んだ状態で成年後見を申し立てざるを得なくなったご家族から、「家族信託という制度をもっと早く知っていれば、こんな手間と費用はかからなかった」という後悔の声を聞くことがぁります。後見制度は一度始まると本人が亡くなるまで続くため、「もっと早く動いてえけばよかった」と感じる方が多いのが実情です。

家族信託を始める手順

家族信託の契約は、以下の流れで進めます。

ステップ1:家族での話し合い誰が委託者(財産を託す人)で、誰が受託者(管理する人)になるかを決めます。受益者(信託の利益を受ける人)は、通常は委託者本人です。

ステップ2:信託契約の内容を決めるどの財産を信託するか(不動産、預貯金、有価証券など)、管理の方針(売却の可否、運用の範囲など)を具体的に決めます。

ステップ3:専門家への相談信託契約書の作成は、司法書士や弁護士に依頼するのが一般的です。税理士と連携して、信託した財産にかかる税金の影響も確認しておく必要があります。

ステップ4:公正証書での契約締結信託契約書を公証役場で公正証書にします。公正証書にすることで法的効力が確実になり、銀行での信託口口座の開設にも必要となります。

ステップ5:信託口口座の開設・不動産の信託登記信託した預貯金は「信託口口座」に移します。不動産は法務局で信託登記を行い、受託者名義に変更します。

滋賀県で家族信託を検討するなら

滋賀県は高島市(高齢化率37.4%)や長浜市など、県北部を中心に高齢化が進んでいます(滋賀県:高齢化率データ)。一方で大津市・草津市・栗東市などの湖南エリアでも、団塊世代が後期高齢者に入る時期を迎えています。

「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちが、家族信託を準備できる期間です。認知症が進行してからでは契約が結べず、成年後見制度を利用するしかなくなります。

最近も、不動産を家族信託で管理する仕組みを組成したケースがありました。親御さんにとっては「子どもに任せられる」という安心感が生まれ、お子さんにとっても「いざというときに自分の判断で動ける」という備えになったと、双方から喜ばれています。

滋賀相続相談所では、税理士と司法書士が連携して家族信託の設計から契約締結までサポートしています。口座凍結のリスクや相続税への影響も含めて、ご家族の状況に合った方法をご提案します。

まずはお電話またはお問い合わせフォームで、お気軽にご相談ください。

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滋賀県草津市に拠点を置いており、草津市・大津市・守山市・栗東市ヽ彦根市・近江八幡市など滋賀県全域の相続に対応しています。

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