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認知症になる前にやっておく相続対策|家族信託・任意後見制度を比較して解説

2026年03月15日
法務
認知症になる前にやっておく相続対策|家族信託・任意後見制度を比較して解説

「親が認知症になったら…」という相談が増えている

相続や財産管理のご相談をいただく中で、近年特に増えているのが「親がまだ元気なうちに何かしておきたい」というご相談です。

しかし、こうした相談の多くは、残念ながら「認知症になってからでは、できないこと」に分類されます。本人に判断能力がない状態では、不動産の売買契約も、銀行での大きな引き出しも、家族であっても法的には行えません。

実際に弊社では、親御さんが認知症と診断された後に相談に来られたご家族から、すでに不動産の売却ができない状態になっており、施設費用の工面に苦労されているというご相談を複数いただいています。

2024年9月時点で、滋賀県の高齢化率は27.5%で、65歳以上の人口は約37.6万人に達しています(滋賀県ホームページより)。今後もこの割合は上昇する見込みで、認知症リスクへの備えを「自分ごと」として考える時期が来ています。

この記事では、認知症になる前に準備できる相続対策として、家族信託・任意後見制度・法定後見制度の3つを比較し、どの制度がどんなケースに向いているかを具体的に解説します。

認知症になると「財産が凍結」される

なぜ、認知症になってからでは遅いのか。最大の理由は「財産の凍結」です。

銀行は、口座名義人が認知症であると把握した時点で、その口座を凍結します。窓口での大口出金や、定期預金の解約などをきっかけに認知症が判明するケースが多く、凍結後は本人の家族であっても引き出しができなくなります。

不動産も同様です。土地や建物の売買契約には、本人の有効な意思表示が必要です。認知症で判断能力がない状態では、その意思表示が無効とみなされるため、売却ができません。施設の入居費用や介護費用をまかなうために親の自宅を売りたくても、法的な手続きを経なければ動けなくなります。

財産が凍結された状態を解除するためには、家庭裁判所に「成年後見制度」の申立てを行う必要があります。ただし、申立てから後見人が選任されるまでには3〜4ヶ月程度かかるのが一般的で、その間、必要な支払いができない状態が続くことになります。

3つの制度を比較する

比較項目家族信託任意後見制度法定後見制度
設定タイミング判断能力がある間判断能力がある間認知症発症後(申立て)
財産の管理者家族(受託者)任意後見人(本人が選ぶ)裁判所が選任した後見人
不動産の売却○(信託契約の範囲内)△(後見人の権限次第)△(家裁の許可が必要)
預貯金の管理○(受託者が管理)○(後見人が管理)○(後見人が管理)
身上監護×(財産管理のみ)○(医療・介護手続きも可)○(医療・介護手続きも可)
費用感初期:数十万円〜 ランニング:低め初期:数万円〜 ランニング:低め初期:数万円〜 ランニング:後見人報酬(月2〜6万円程度)
本人の意向反映◎(契約内容に反映可)◎(事前に指定可)△(裁判所の判断優先)

出典:法務省「成年後見制度」、家庭裁判所統計(成年後見関係事件の概況)

どの制度を選ぶべきか

制度の選択は、親の財産の種類・規模、家族関係、将来の資産活用の方針によって変わります。

家族信託が向いているケース
  • 不動産を持っており、将来的に売却や賃貸活用を考えている
  • 認知症発症後も積極的に財産を運用・処分したい
  • ランニングコストを抑えたい
任意後見が向いているケース
  • 主に預貯金の管理が目的で、大きな財産処分の予定がない
  • 身上監護(医療・介護の手続き)もカバーしたい
  • 初期コストを抑えて準備したい
2つを組み合わせるケース

財産管理は家族信託で対応しつつ、身上監護は任意後見でカバーするという組み合わせも有効です。この場合、両方の契約書を公正証書で作成します。

滋賀県で準備を始めるタイミング

滋賀県の高齢化率は2024年時点で27.5%(出典:滋賀県ホームページ)で、全国平均(28.7%)をやや下回るものの、人口全体が高齢化していくトレンドは同じです。

認知症は「ある日突然」発症するケースもあります。早期のアルツハイマー型認知症では、ゆっくりと進行するなかで判断能力の低下が見えにくいこともあり、「まだ大丈夫だろう」と思っているうちに手続きができない状態になることがあります。

一般的に、家族信託・任意後見の準備は「本人に十分な判断能力がある状態で行う」必要があります。70代前半のうちに一度専門家に相談しておくことが、選択肢を広げておくうえで有効です。

滋賀相続相談所では、70代前半の親を持つ40〜50代の子世代からの相談が近年増えており、年末年始やお盆など身内が集まった後のタイミングで相談が集中する傾向があります。

滋賀相続相談所ができること

滋賀相続相談所では、税理士と司法書士が連携して、家族信託・任意後見・相続税対策を一体で提案します。「まず制度の概要を聞きたい」という初期段階の相談も受け付けており、対応エリアは大津市・草津市・守山市・栗東市・近江八幡市など滋賀県全域です。

家族信託の組成から公正証書の作成サポート、認知症発症後の財産管理の引き継ぎまで、ワンストップで対応できる体制を整えています。

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滋賀県草津市に拠点を置いており、草津市・大津市・守山市・栗東市・彦根市・近江八幡市など滋賀県全域の相続に対応しています。オンライン対応も可能なので、県外からのご相談もお受けしています。初回相談は無料です。

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