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小規模宅地等の特例とは?自宅を相続するときに知っておきたい80%減額の条件|滋賀版

2026年03月15日
滋賀税務
小規模宅地等の特例とは?

自宅を相続すると相続税が大きくなる、その理由

相続財産の中で不動産が占める割合は高くなりがちです。国税庁の統計によると、相続税の課税対象となった財産のうち、土地と建物を合わせた不動産の割合は全体の約37%を占めています(令和4年分相続税の申告事績)。

自宅の敷地だけでも、滋賀県内では相続税評価額が数千万円になるケースがあります。草津市の住宅地では相続税路線価が平均約11万円/㎡(令和7年分)で、200㎡の土地なら評価額だけで2,200万円前後になります。大津市でも同様に、住宅地の路線価平均は約6~7万円/㎡程度です。

親から引き継いだ自宅を相続税の支払いのために手放す、そういった事態を防ぐために設けられたのが「小規模宅地等の特例」です。GrowUpでも、この特例の存在をご存じなかった方に適切なタイミングをお伝えし、申告前の売却を思い留まっていただいたケースがあります。

小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例とは、一定の条件を満たして土地を相続した場合に、その土地の相続税評価額を大幅に下げられる制度です。

対象となる土地は3種類あります。

① 特定居住用宅地等(自宅として使っていた土地)限度面積:330㎡まで 減額割合:80%

② 特定事業用宅地等(自ら営む事業の用に使っていた土地)限度面積:400㎡まで 減額割合:80%

③ 貸付事業用宅地等(アパートや駐車場など)限度面積:200㎡まで 減額割合:50%

この記事では、利用する方が最も多い①特定居住用宅地等(自宅の土地)の条件を中心に説明します。

自宅の土地で80%減額を受けるには

自宅の土地(特定居住用宅地等)について特例を使うためには、「誰が相続するか」によって条件が変わります。

配偶者が相続する場合

亡くなった方の配偶者が自宅の土地を相続する場合、条件は特にありません。同居の有無も問われず、申告期限後に売却しても構いません。配偶者であれば無条件で適用されます。

同居していた親族が相続する場合

同居の子や孫が相続する場合は、2つの条件があります。

  1. 相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月後)まで、引き続きその家に住んでいること
  2. 申告期限まで、その土地を売らずに持ち続けていること

住民票が同一でも実態として別居していた場合は適用外になるため注意が必要です。

別居の子が相続する場合(家なき子特例)

別居していた子が自宅の土地を相続する場合は「家なき子特例」と呼ばれる要件を満たす必要があります。主な条件は以下のとおりです。

  • 相続開始前の3年間、自分または配偶者が所有する家に住んでいないこと
  • 相続開始時に日本国内に自分名義の家を持っていないこと
  • 申告期限まで相続した土地を保有し続けること

「家を持っていない」という状態が3年以上続いていることが前提のため、急いで自宅を売却した後に相続が発生したケースでは使えないことがあります。

滋賀県での計算例

草津市内に自宅の土地(200㎡)を所有していたとします。

項目金額
相続税評価額(特例なし)200㎡ × 約11万円/㎡ = 約2,200万円
特例適用後の評価額2,200万円 × 20% = 約440万円
評価額の減少分約1,760万円

1,760万円の評価額が下がることで、相続税額は大きく変わります。相続税の税率(10~55%)によっては、それだけで数百万円単位の税額差が生じます。

この計算はあくまで目安です。実際の路線価・面積・他の財産状況によって税額は変わります。特例を適用できるかどうかの判定と正確な計算は、税理士に確認することをお勧めします。配偶者控除と小規模宅地等の特例の組み合わせ方によっては、財産額に応じて数百万円規模の差が出ることも珍しくありません。申告期限もあるため、どちらをどのように使うかの検討は早めに行うことが重要です。

特例を受けるために必要なこと

必ず申告が必要

小規模宅地等の特例は、相続税の申告書を提出しないと受けられません。「特例を使えば相続税がゼロになる」という場合でも、申告書の提出は必須です。申告しなかった場合、特例は適用されません。

申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。

申告期限まで売却・転居しないこと

同居していた親族が特例を使う場合、申告期限まで居住と保有を継続する必要があります。納税資金を確保するために相続した不動産を申告前に売ってしまうと、特例が使えなくなります。

関連する税制改正については、小規模宅地等の特例の改正について(平成30年度税制改正大綱)もあわせてご確認ください。

GrowUpでの相続税申告(滋賀県全域)

滋賀県草津市の税理士法人GrowUpでは、相続税申告を専門に対応しています。小規模宅地等の特例が使えるかどうかの確認、適用のための書類準備も含めてサポートします。

大津市・草津市・守山市・近江八幡市・彦根市など滋賀県全域でご相談を受け付けています。家なき子特例などは要件の判断が難しいケースが多く、GrowUpでは状況を丁寧にヒアリングして要件を一つずつ精査しています。リスクが残る場合は適用せず、安全な形で申告を進めることを優先しています。

まとめ

小規模宅地等の特例は、自宅を相続する場合に土地の評価額を最大80%下げられる制度です。配偶者は無条件で適用されますが、同居の親族・別居の子はそれぞれ条件があります。申告しないと受けられない点と、申告期限まで保有継続が必要な点は特に注意してください。

滋賀県内で相続税申告をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

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