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小規模宅地等の特例の改正について(平成30年度税制改正大綱)

2018年01月15日
税務

 平成30年度(2018年)税制改正大綱が12月14日に公表されました。今回は、小規模宅地等の特例の改正内容を取り上げます。

なお、正式な税制改正は平成30年3月頃に決定する予定となっているため、現時点での税制改正の方向性としてご確認ください。

 

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1.貸付事業用宅地等についての要件見直し

 貸付事業用宅地等については、200㎡までの部分につき評価を50%減額できることとされております。本特例を改正前の要件は、以下の通りです。

 

   ⅰ.貸付事業用宅地等を引き継ぐ相続人が、相続開始時から申告期限までの間にその宅地等に係る

    被相続人の貸付事業を引き継ぐこと(事業引継要件)

 

   ⅱ.申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ、その貸付事業の用に供していること

    (保有継続要件)

 

 今回の改正には、上記の要件に加えて、貸付事業用宅地等の範囲について制限が設けられることになりました。相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者の土地は除外)が除外されることとなります。ただし、平成30年3月31日以前に貸付事業に供していた土地については、これまでの取り扱いになります。この改正により、アパートの取得により相続税対策を行う場合に、小規模宅地等の特例が使えないケースが出てくることになります。

 

 

 

 2.特定居住用宅地等についての家なき子特例の見直し

 相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等は、取得者について次の①から③の3つの区分にて取得者ごとの要件を満たした場合に330㎡までの部分につき評価を80%減額できることとされております。

 

 ①被相続人の配偶者が取得者となる場合

  取得者ごとの要件はありません。

 

 ②被相続人と同居していた親族が取得者となる場合

  相続開始の時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の

 申告期限まで有している人

 

 ③被相続人と同居していない親族が取得者となる場合(家なき子特例) 

  ⅰからⅲの全てに該当する場合で、かつ、次のⅳ及びⅴの要件を満たす人

 

   ⅰ.相続開始の時において、被相続人が一時居住被相続人、非居住被相続人又は非居住外国人

    であり、かつ、取得者が一時居住者又は日本国籍及び日本国内に住所を有していない人では

    ないこと。 

 

   ⅱ.被相続人に配偶者がいないこと 

 

   ⅲ.被相続人に、相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた家屋に

    居住していた親族でその被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかった

    ものとした場合の相続人)である人がいないこと 

 

   ⅳ.相続開始前3年以内に日本国内にあるその人又はその人の配偶者の所有する家屋(相続開始の

    直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと 

 

   ⅴ.その宅地等を相続税の申告期限まで有していること 

 

 今回、改正される予定では、上記の③において下記に該当する者を家なき子特例を適用できる対象者から

除外することとなりました。

 

  ・その者の3親等内の親族又はその者と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に

   居住したことがある者

  ・相続開始時において居住用の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者

 

 この改正においても、貸付事業用宅地等についての改正と同様、作為的に家なき子特例を適用することを防止する意図があると考えられます。

 

 

3.居住用宅地の特例の見直し

 介護医療院に入所したことにより、居住の用に供されなくなった土地について特例が適用されることとなりました。

これまでも介護老人保健施設やサービス付き高齢者向け住宅などが対象となっていましたが、これに介護医療院が追加されることとなりました。

 この改正のみ納税者にとってプラスとなる改正になっています。